在宅勤務、低用量ピルと深部静脈血栓症
2021年11月25日
深部静脈血栓症の危険因子には、長期臥床・長時間座位のような血流の停滞、喫煙のような血管内皮障害、低用量ピル・エストロゲン製剤内服時のような血液凝固亢進があります。一般的には稀な病気ですが、危険因子が重複している場合には注意が必要です。
深部静脈血栓は、骨盤・下肢の静脈におきることが多いですが、起立・歩行・排便などの際に血栓が剥離して肺動脈血栓症をおこすことが稀にあります。
航空機による長時間の移動、災害の際の車中泊の際に発症した例がメディアでも取り上げられ啓発されましたが、5時間以上のテレビもリスクになりうるといわれています。最近では、在宅勤務の際の長時間座位も注意が必要に思われます。
社会の変化に伴い、妊娠機会の減少から女性の生理回数は増加し、月経困難症を和らげるため低用量ピルを内服する機会もあるようです。
下肢深部静脈血栓症の症状は、ふくらはぎの痛み、こむら返り、重苦感などで、浮腫、発赤、下肢圧迫による痛みなどを伴うことがあります。
予防には、在宅勤務中には時々室内を歩いたり、座位でふくらはぎを収縮させるような運動をしたりして、下肢の静脈うっ滞を避けることにあります。むくみがある場合には弾性ストッキングの利用も良いかもしれません。
発症した際には、早期診断・治療により肺動脈血栓症の予防、再発予防が肝要です。