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高齢者向けRSウイルスワクチン

2025年04月23日

RSウイルスは風邪症状を引き起こすウイルスの一つです。多くの場合1-2週間で自然治癒しますが時に重症化することがあります。特に高齢者では感染・発症すると重症化、入院のリスクがありますが、ワクチン接種が感染予防に有用です。

ワクチンは現在3種類あり、国内ではそのうち2種類が承認されています。US CDCは75歳以上の高齢者、60歳から74歳で重症化リスクのある方に接種を推奨しています。

重症化リスクとして心不全、陳旧性心筋梗塞といった慢性心血管疾患、COPD、間質性肺炎といった慢性呼吸器疾患、末期腎不全/透析治療中、CKD合併糖尿病/インスリン治療中糖尿病、肝硬変といった慢性肝疾患、BMI:40以上の肥満、特養老人ホーム居住者などがあげられています。RSV (Respiratory Syncytial Virus) Immunizations | CDC

2種類のワクチンのうちアレックスビーは、RSウイルスサブタイプA由来のリコンビナント抗原とアジュバントで構成されたワクチンです。アブリスボはサブタイプA及びB由来のリコンビナント抗原で構成されたワクチンで、アジュバントを含有しません。他のワクチンとの同時接種可です。

CDCは現時点で毎年接種を推奨しておりません。承認時、持続性に関してデータは得られておらず、追加接種の必要性について将来検討されるとのことです。また、3種類のワクチンで優先度をつけておりません。