動脈硬化予防と食事 おすすめ食品と控える食品
2020年04月26日
おすすすめ食品として、未精製穀類、雑穀があげられます。主食(米、パン、麺など)の炭水化物として、玄米や白米に雑穀を混ぜ、ライ麦パン、そばなどがおすすめで、一日の炭水化物の内1/3を目安にします。これらの食品は水溶性繊維を多く含み、小腸において糖がゆっくりと吸収され、食後血糖上昇が緩やかなためインスリンの必要量を抑えます。これらの食品は低グライセミックスGI食品ともよばれています。また、コレステロールの吸収を抑え、悪玉のLDL-コレステロールを低下させます。
控える(食べ過ぎない)食品として、まず牛脂、ラード、バターなどの動物性脂肪があげられます。冷えると固まる脂でもありますが飽和脂肪酸を多く含み、悪玉のLDL-コレステロールを増加させます。毎日の食事の主菜として、たんぱく質をバランスよく摂る必要がありますが、お肉では、霜降り肉より赤身肉、鳥皮は脂を多く含みますのでささみ肉がおすすめです。
また、主菜のたんぱく質としては、魚(特に青背魚)、大豆、豆腐・納豆などの大豆製品がおすすめです。これらの食品には冷えて固まらない(n-3系/n-6系)多価不飽和脂肪酸が多く含まれ、サバ、イワシなど青背魚はn-6系のEPA, DHAなどを多く含みます。これらの脂肪酸はLDL-コレステロール、中性脂肪を低下させ、血圧低下、血栓予防効果なども知られています。
動脈硬化予防と食事
2020年04月23日
医食同源ともいわれますが、脳心血管病の予防のため高血圧、糖尿病、脂質異常症などの治療には毎日の生活習慣・食習慣がとても重要です。以前から日本料理や地中海料理は動脈硬化の予防に好ましいといわれてきました。
日本料理は、健康的であるとともに美しい文化として国際的にも注目されていますが、過去には塩分が多く高血圧症・脳出血との関連が指摘されました。動物性脂肪の多いファストフード、糖質の多い清涼飲料と若年の肥満症、糖尿病の関連など食習慣の欧米化も以前から注視されているところです。
さて、動脈硬化予防のための健康的な食様式として、「The Japan Diet」を日本動脈硬化学会が推奨しています。http://www.j-athero.org/general/pdf/TJD_digest.pdf
1.肉の脂身、動物脂、鶏卵、清涼飲料や、菓子などの砂糖や果糖を含む加工食品、アルコール飲料を控える。
2.魚、大豆・大豆製品、緑黄色野菜を含めた野菜、海藻・きのこ・こんにゃくを積極的にとる
3.精製した穀類を減らして未精製穀物や雑穀・麦を増やす
4.甘味の少ない果物と乳製品を適度にとる
5.減塩して薄味にする
基本的には食事指導のなかで以前から推奨されてきたものですが、昨今さまざまなダイエット、健康食品がメディア、インターネットで紹介されるなか、順番にご説明をします。
心不全と新型コロナウイルス感染症
2020年04月23日
日本心不全学会のHPを参考に、心不全の患者さん向けに日常生活での注意点を以下にまとめました。
- 椅子や机など、身の回りにあるものをうまく利用して、自宅での運動を心がけましょう。好きな音楽はしばしば有効です。
- 心不全治療薬はもしもにそなえて十分な量を確保。余裕をもって次回分の処方をかかりつけ医にしていただく。
- 利尿剤、β遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬など現在の薬物治療と用量を守るように心がけましょう。
- 薬の自己調節はしないでください。息切れがひどくなったなどの症状がある場合は、かかりつけ医/主治医に電話して相談しましょう。利尿剤などの薬の調整や、病院への受診の必要性については、電話での連絡だけで判断できることが多いです。
- β遮断薬など心拍数を下げる薬は急に中止しないようにしましょう。抗炎症薬(NSAIDs)は避けるべきです。
- 次のような症状がある場合は、入院して集中的な観察が必要な場合がありますので、医師の診察を受けてください:胸痛、不規則または速い心拍数、進行性の息切れ、激しい咳、めまい、失神。
- 新型コロナウイルスの二次感染のリスクが高いため、季節性インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を受けるようにしましょう。
- 定期受診は、症状が落ち着いていればオンライン診療での対応を検討しましょう。
- 新型コロナウイルス感染の疑いのある患者さんと直接接触した場合は、自主隔離し保健所の指示に従ってください。
- 風邪やインフルエンザにかかったと思ったら、ウイルスの拡散を防ぐためにマスクを使用しましょう。
杉並区 永福町のすずかわ循環器内科では、オンライン診療、肺炎球菌ワクチン接種のご要望にお応えしています。
日本心不全学会HP:http://www.asas.or.jp/jhfs/topics/20200417.html
心不全の発症予防
2020年04月22日
心疾患による死亡は癌に続き2番目ですが、その中で心不全による死亡が最も多いといわれています。
心不全は急性心不全の発症を繰り返し、徐々に身体機能の低下がおこりQOLの低下、要介護と進行し健康寿命に大きくかかわります。
従って、心筋梗塞、脳卒中と同様に、発症前の心不全リスクの評価・治療介入、急性心不全の発症予防・早期治療介入が肝要です。
心不全初期では、坂道、階段、荷物運びなど労作時の息切れや動悸、易疲労感を感じますが、安静時は無症状です。
重症化すると、横になって心臓へ戻る血液が増加すると息苦しくなり(夜間発作性呼吸困難、起坐呼吸)、安静時でも動悸、息苦しさを感じるようになります。
体の静脈うっ血により、食欲不振、便秘、下腿浮腫、体重増加などがおこります。
また、心拍出量低下による易疲労感、脱力感、腎血流低下による尿量減少、夜間頻尿・多尿、四肢冷感などが生じます。
高血圧、糖尿病などの心不全リスクのある方、左室肥大、心臓弁膜症、心筋梗塞などの既往のある方、上記症状早期にあるかたは心不全発症予防・急性増悪予防のため、かかりつけ医の受診をおすすめします。
杉並 永福町のすずかわ循環器内科は、(在宅)勤務後も受診できるよう平日夜9時まで診療しています。また、新型コロナウイルス感染リスクのため受診が中断している方などのためオンライン診療にも対応します。