新型コロナ(COVID-19)とインフルエンザ
2020年09月17日
昨シーズンのインフルエンザ患者の発症は、今年に入って大きく減少しており、飛沫感染対策、手指衛生等の新型コロナ対策が、インフルエンザの予防としても有効であったと考えられています。
11月以降今年のインフルエンザシーズンでも、同様の相互予防効果が期待されますが、既にワクチンのあるインフルエンザは早期に予防接種し、新型コロナのワクチンが国内承認されましたら同様に早期接種することが望まれます。
外来診療で発熱の患者さんを診察する場合、今年の冬は新型コロナ、インフルエンザ、感冒等の鑑別が必要になりますが、臨床症状でこれらを鑑別するのは困難な場合があります。
また、新型コロナとインフルエンザの合併も報告されており、こういった混合感染は新型コロナによる入院患者の4.3-49.5%に認められています。そのなかで、B型インフルエンザとの合併例は重症化したとの報告もあります。
新型コロナでの混合感染についてメタ解析では、肺炎球菌などの細菌感染合併が7%、RSウイルスやインフルエンザウイルスなどウイルス感染合併が3%と報告されています。
インフルエンザシーズンを前に、手指衛生、3密を避けるなど公衆衛生の継続と、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなど既に利用できるワクチンを接種し、国内承認後新型コロナワクチンを早期接種が賢明と考えます。