高血圧と家庭血圧
2021年03月11日
かつて国内では脳出血の罹病率が高く、半身麻痺など後遺症や早期死亡に苦しむ患者さんやご家族が多くおられました。保健教育による塩分摂取の制限や健診による高血圧の診断・その後の治療といった予防医療が貢献し、罹病率・予後は大きく改善しました。
脳梗塞、心筋梗塞、心不全など脳心血管病予防のためには、血圧管理は現在も重要で、その管理には家庭血圧を中心にしています。これは、家庭血圧が正常域にもかかわらず診察室血圧が高い「白衣高血圧」や、家庭血圧が高血圧にもかかわらず診察室血圧は正常域の「仮面高血圧」の場合があるからです。
高血圧合併症がなければ「白衣高血圧」は経過観察で良いですが、「仮面高血圧」では脳心血管病のリスクが高く、治療が必要です。
高血圧基準は、診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上としています。
家庭血圧の測定要領を次回ご説明します。