家庭血圧の測定
2023年02月15日
高血圧の診断・治療には、診察室血圧のみならず、家庭血圧の評価が必須です。診察室では交感神経緊張により血圧が高くなりがちであること、家庭で毎日、長期間測定することでより豊富な情報を得ることができるからです。
家庭血圧測定の際には、上腕にカフを巻くタイプの自動血圧計を使用します。カフは肘にかからないように2~3㎝上に巻き、カフの中央と心臓の高さが一致するようにします。
血圧は、静かで適当な室温(冬は暖房で暖めた部屋)の環境で、背もたれ付きの椅子に足を組まずに座って1~2分安静にした後に測定します。測定中は会話することなく、測定前に喫煙、飲酒、コーヒーなどカフェインを摂らないようにします。
血圧は、朝起床後1時間以内で、排尿後、服薬前、朝食前、座位1~2分安静後に測定します。
起床後測定するのは、交感神経緊張により早朝血圧が高い場合があるからです。また、服薬前で降圧薬の血中濃度が下がったタイミングの血圧を測定します。なお、一般にトイレを我慢しているときには交感神経緊張により血圧が上がり、食後は胃などに血液が集まり血圧が下がります。
血圧は1回か2回測定し、2回測定した場合にはその平均値を記録します。複数回血圧を測定して血圧が下がるのは、血管内皮よりNOが分泌され血管拡張がおこるからと言われています。
夜は就寝前に測定します。飲酒後、入浴後は血管が拡張し血圧が下がります。