クリニックブログ

循環器系の症状(2) 動悸

2020年05月21日

動悸は心臓がドキドキ拍動するのを感じる症状で、動悸とともに心臓の存在を感じる場合心悸亢進を呼びます。ひとは緊張したり運動したりするとアドレナリンなどのカテコラミンが副腎などより分泌され、心拍が早く心収縮が高まりドキドキ感じます。

動悸は安静時あるいは軽い労作にもかかわらず、拍動をドキドキ感じる場合を指します。時には心臓が胸腔で飛び跳ねるるようにも感じられ、不安になります。

動悸の原因には、大きく心臓に原因がある場合と、心臓以外に原因がある場合があります。動悸がする際に手首で脈をとってみて、頻脈(脈拍が100/min以上)や、脈の不正がある場合には、頻脈性不整脈や心房細動のことがあります。頻脈性不整脈は、症状の程度、基礎疾患の有無で治療方針を考えます。発作性心房細動も、症状の程度、心不全など基礎疾患、脳塞栓を起こすリスクレベルなどで治療方針を考えます。

動悸と共に、気が遠くなったり失神してしまう場合には特に注意が必要で、稀ではありますが、心筋症などの基礎疾患があって重篤な頻脈性不整脈をおこしている場合、頻脈のあと洞停止あるいは徐脈をおこしている場合などがあります。

心臓以外の原因には、消化管出血などで貧血になっている時や、甲状腺機能亢進症があって頻脈が起きていることがあります。また、基本的にカテコラミンはストレスに反応して身体を防御するために分泌されますので、過度の緊張状態、適応障害の状況などでは、交感神経が亢進し、自律神経のアンバランスから安静時に動悸を感じることがあります。発作的に頻脈がはじまり動悸がおきて不安になり、嘔気・嘔吐する場合もあります。身近な人に心疾患の方がおり、心疾患に過敏になってしまい動悸を感じる場合もあります。このような場合、心臓関係の検査では異常がみつからず、自律神経失調症、パニック障害、心臓神経症などと診断する場合があります。症状改善には、生活にゆとりをもってリラックスする環境をつくり、良眠をとって副交感神経優位の状況をつくります。