循環器系の症状(3) 息切れ
2020年05月28日
息切れは、呼吸が苦しく、激しい運動をした際のように呼吸が「ぜーぜー、はーはー」と激しく、速くなった状態を指します。身体が必要とする酸素の供給に、心肺機能が追い付かない時の症状の一つです。成人の呼吸数は12-18回/分程度ですが、24回/分以上になり頻呼吸のため会話ができない場合もあります。階段の昇降や、掃除・洗濯など日常生活レベルの身体活動で、息切れが感じる際には、循環器、呼吸器系の病気のことがあります。
突然おきた息切れには注意が必要で、30分以上続く胸部絞扼感(胸を締め付けられたような胸痛)や、胸部圧迫感(重い重石を乗せられたような胸痛)を伴う場合には心筋梗塞、突然の胸の痛みと共に息切れが起きる場合には肺塞栓症(経口避妊薬服用中や災害時の車中避難の時、エコノミー症候群など)や気胸などの鑑別が必要です。
高血圧症、腎不全、心臓弁膜症や心筋症のような心疾患があって、体重増加、足のむくみなどを伴って息切れがある場合には、心不全の場合があります。原因疾患の鑑別、治療と共に、利尿剤などで心不全の治療をする必要があります。心不全では症状増悪した急性心不全を起こさないよう予防治療することが肝要です。
発作的に咳や喘鳴を伴って息苦しい場合には、気管支喘息の場合があります。喘息では、気管支の炎症、攣縮のため息が吐きづらくなります。逆に空気が薄く感じ、息が吸い込みにくく、強い不安感を伴う場合には、パニック症候群や過換気症候群の場合があります。こういった場合には、ゆっくりとした呼吸で息をしっかりはくことで症状改善する場合があります。
長い喫煙歴があり、慢性的に咳がでる、体重減少を伴う場合にはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の場合があります。この場合、まず禁煙が必須です。
息切れには様々な疾患が原因にあり、心身不調のサインです。原因の鑑別と治療が必要です。