クリニックブログ

新型コロナワクチン接種準備

2021年04月01日

都内の感染者が再度増加傾向にあります。大人数でのマスクを外した会食を避けるなど基本的な感染対策を継続しておられることと思います。

さて、国、杉並区の新型コロナワクチン接種スケジュールが厚労省/杉並区ホームページなどに開示されています。

新型コロナワクチンの接種についてのお知らせ|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

新型コロナワクチン接種について(3年4月1日更新)|杉並区公式ホームページ (city.suginami.tokyo.jp)

杉並区では、医療従事者に続き65歳以上の方々には、4月下旬以降に接種券が発行・送付され、5月以降順次ワクチン接種が実施されるとのことです。

その後、64歳以下で基礎疾患のある方、高齢者施設等での業務に従事している方など国から順次区に通知があるとのことです。

基礎疾患を有するものの範囲については、厚労省ホームページ 000756894.pdf (mhlw.go.jp) に説明があります。

例えば、当院に通院しておられる患者さんでは、

ー慢性の呼吸器の病気

ー慢性の心臓病(高血圧を含む)

ー慢性の腎臓病

ー慢性の肝臓病(肝硬変等)

ーインスリンや飲み薬で治療中の糖尿病、又は他の病気を併発している糖尿病

ー免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)

ーステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている

ー免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患

ー睡眠時無呼吸症候群

ーBMI30以上の肥満の方

など該当される方がおられます。

なお、この範囲については厚労省部会にて検討・見直すことがあるとのことです。

新型コロナワクチン接種について杉並区の問い合わせ先は下記です。

杉並区新型コロナワクチン接種コールセンター(3月15日開設)
電話:0570-666-542
受付時間:午前9時~午後5時

家庭血圧の測り方

2021年03月15日

降圧治療の管理目標値は、一般に75歳以下では家庭血圧125/75未満、75歳以上では135/85未満とし、たちくらみや高齢者で脳梗塞などの原因となる過降圧に注意します。

血圧計は、上腕で測定する装置が推奨されます。手首で測定する装置は日々の比較評価はできますが、絶対値が不正確な場合があります。

血圧測定は、朝起床時、排尿後、朝食・服薬前、座位で1-2分安静後に2回測定しその平均を記録します。起床時には交感神経が緊張をはじめますが、過緊張のため血圧が上昇する場合がありモーニングサージと呼ばれます。早朝に脳卒中、心筋梗塞などの心血管イベント発症が多いことにも関連しています。

最近でも早朝勤務前に喫煙習慣のある方々がおられますが、喫煙により末梢血管収縮・血圧上昇、血管内皮障害をおこし心血管イベントのリスクが更にあがります。

また、起床時の血圧測定に加え、就寝前座位1-2分安静後測定します。

なお、一般に血圧は精神状態、運動、睡眠不足などで変動しうるものですので、一回の測定値に一喜一憂する必要はありません。血圧の評価は5日以上の平均値を中心に評価します。

急に血圧が上昇した場合には、安静にすることで改善することが多く、慌てず気持ちを落ち着かせることが肝要です。なお、血圧上昇とともに激しい頭痛や視野異常、呼吸困難などがある場合には高血圧緊急症として原因精査・治療が必要です。

高血圧と家庭血圧

2021年03月11日

かつて国内では脳出血の罹病率が高く、半身麻痺など後遺症や早期死亡に苦しむ患者さんやご家族が多くおられました。保健教育による塩分摂取の制限や健診による高血圧の診断・その後の治療といった予防医療が貢献し、罹病率・予後は大きく改善しました。

脳梗塞、心筋梗塞、心不全など脳心血管病予防のためには、血圧管理は現在も重要で、その管理には家庭血圧を中心にしています。これは、家庭血圧が正常域にもかかわらず診察室血圧が高い「白衣高血圧」や、家庭血圧が高血圧にもかかわらず診察室血圧は正常域の「仮面高血圧」の場合があるからです。

高血圧合併症がなければ「白衣高血圧」は経過観察で良いですが、「仮面高血圧」では脳心血管病のリスクが高く、治療が必要です。

高血圧基準は、診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上としています。

家庭血圧の測定要領を次回ご説明します。

スギ・ヒノキ花粉症

2021年01月25日

新型コロナウイルスの感染拡大が続いておりご不安のことと思います。

会食などでマスクを外した会話をさけるなど「 感染リスクが高まる「5つの場面」|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室 (corona.go.jp) 」を念頭に個人でできる感染対策、公衆衛生対策を継続しておられることと思います。国内でもワクチンの承認が近づいてきたようですので期待しています。

さて、今年もスギ・ヒノキ花粉症の時期が近づいてきました。特に症状の重い患者さんは毎年苦しんでおられます。鼻をかんだり眼をこすったり、ウイルスの感染機会が高まります。手洗いを徹底するとともにマスクの着用、花粉飛散時期早めより内服治療をお勧めします。

新型コロナ感染症 臨床症状

2020年12月18日

内科学会雑誌に新型コロナ感染症が特集され、内科学会HPにて公開されています。https://www.naika.or.jp/activity/covid-19/nichinaishi-109-11-article/ 日常臨床に関連あるところを一部ご紹介します。

新型コロナウイルス感染初期には、無症状を含め多彩な臨床症状を呈しますが、感染後1~14日(5日前後が多い)の潜伏期の後感冒様症状等で発症することが多いとされています。
すなわち、初期には「発熱」「咳嗽」「咽頭痛」「鼻汁」「頭痛」「倦怠感」の症状が多く、「味覚・嗅覚障害」を伴うこともあります。

若年者の多くが「無症状」を含め軽症である一方、高齢者においては重症化しやすく、慢性呼吸器疾患、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満等のある患者さんの重症化率が高いといわれています。

新型コロナウイルス感染症では、無症状感染者の鼻咽頭、鼻腔ならびに唾液からもウイルスが検出されます。感染可能時期は、発症2日前から発症後7~10日程度であり、発症直前から発症後間もない時期の感染性が非常に高い。

職場などで感染者が発生した際には、症状発症の2日前に濃厚接触がある場合、濃厚接触者は接触より5日前後で発症する可能性が高く、発症2日前から感染性を有していると考えられます。