クリニックブログ

循環器系の症状(1) 胸痛

2020年05月20日

循環器系の症状のうち「胸痛」についてご説明します。

胸痛には、「胸の中が焼けつくような痛み」「胸を締め付けられるような痛み(絞扼感)」「胸を強く押さえつけられる感じ」「胸に重い重石を乗せられた感じ」「一点を鋭く刺すような痛み」「狭い範囲にチクチク、ズキズキする痛み」等、様々な痛みがあります。痛みの特徴、痛みの範囲、起こり方、痛みの継続時間、動悸、息切れ、呼吸困難、発熱などの随伴症状などが原因を鑑別していく上で重要です。

狭心症の場合、冠動脈の動脈硬化、あるいは血管攣縮により心筋虚血がおこり胸痛を感じます。「焼けつくような」「しめつけられるような」「重いもので強く押さえつけられるような」胸痛で、胸の中心部の比較的広い範囲に痛みを感じ、15分以上痛みが継続します。左手や左顎に痛みが放散する場合もあります。典型的には例えば階段を上がるなど運動した際に狭心痛を感じます。運動により血圧、心拍数があがり心筋の酸素需要が増すにもかかわらず、動脈硬化による冠動脈の狭窄により血液の供給が需要に間に合わないため心筋虚血となり胸痛がおこると考えられています。

冠動脈の動脈硬化巣(プラーク)で出血がおこり、冠動脈内腔に血栓ができて冠動脈の閉塞がおこると、同様ですがより激しい胸痛がおこります。この場合30分以上胸痛が継続し、心筋梗塞が発症します。胸痛とともに心機能低下により息切れ、呼吸困難などを伴い患者さんは不安、冷汗を訴える場合があります。

このように、狭心症、心筋梗塞の胸痛は、一点を刺すチクチクした痛みではなく、比較的広い範囲の絞扼感、圧迫感です。一瞬の痛みではなく、15分あるいは30分以上続く痛みで不安感や冷汗を伴います。

激しい裂かれるような胸痛、背部痛が突然起きた場合には、大動脈解離を疑います。

心血管疾患以外の食道がん、逆流性食道炎でも灼けるような胸痛、背部痛を感じることがあり、鑑別疾患の際に注意が必要です。

一方で、一点を刺す痛み、チクチクする痛みが数秒あり繰り返すような場合には肋間神経痛や肋間筋肉痛など神経・筋骨格系の痛みが考えられます。肋骨下縁に圧痛、胸骨・肋骨関節部に圧痛などあります。

肋間神経に沿って、皮膚表面がピリピリ、ジクジク痛い場合には後日水疱があらわれ帯状疱疹のことがあります。

また、深呼吸によって痛みが増強する場合には、胸膜炎、肺炎を疑います。ウイルス・細菌感染により発症しますので通常発熱を伴います。まれですが、心膜炎も鑑別する必要があります。気胸では、ある日突然胸痛がありその後息切れ、呼吸困難がおこります。

胸痛、動悸、息切れなど心疾患で見られる症状があるにも関わらず、心臓関連の検査をしても異常がない場合があります。ストレス、過労、心疾患に対する不安から交感神経が緊張し、頻脈になり過敏状態のためさらに動悸を感じ不安感が増してしまいます。心臓神経症、自律神経失調症、パニック症候群などのことがあります。重症な心疾患ではありませんが本人は原因が分からない症状のためとてもつらく、丁寧な説明、こころのケアが必要です。

おすすめ食品と控える食品(5)

2020年05月17日

主食、主菜、副菜、汁もの、デザート・間食でおすすめと控える食品についてご説明しました。

それでは、一日の食事の量はどのように決めたらよいでしょうか? 通常標準体重の25~30倍を一日の総カロリー摂取量の目安とします。標準体重はBMI=22の体重をさし、例えば身長170㎝ですと標準体重=22x1.7×1.7=64㎏です。この時一日の食事量は一日1,600~1,920カロリーです。栄養素の配分は炭水化物60%、たんぱく質15%、脂質25%を目安とします。ちなみに、炭水化物とたんぱく質は4カロリー/g、脂質は9カロリー/gで、いかに脂質が高エネルギーかわかります。アルコールは8カロリー/gです。

BMIが24を超え肥満の場合には、まず脂肪の量を減らし、野菜、海藻など食物繊維を増やし、腹八分目の食事とし、3%程度の体重減少を目標にします。80㎏の方で2~3㎏程度ですが、血漿脂質レベルが下がります。自宅に体重計を用意して、1kg/月のペースで減量するとリバウンドが少ないと言われています。

まず自身の食習慣に関心を持ち、日ごろどのような食事を摂っているか見直してみることをおすすめします。ご紹介したおすすめ食品、控える食品を念頭にThe Japan Dietを楽しんでいただきたいと思います。

おすすめ食品と控える食品(4)

2020年05月11日

主食、主菜、副菜、汁ものについてご説明しました。

現代人では、これ以外に重要な要素としてデザート、間食、甘味飲料、アルコール飲料があります。デザート、間食は別腹といいますが、身体にとっては総カロリー、栄養素の観点で主食や主菜と同様です。

デザートは、甘味(果糖)の少ないフルーツがおすすめ食品です。水溶性繊維、ビタミン、抗酸化物など摂ることもできます。

生クリーム、甘い菓子類は控える食品です。生クリームは牛乳の脂肪成分で、砂糖を加えてたデザートととして摂ることが多いですので、乳製品としては牛乳、ヨーグルトが適当です。乳脂肪を控えたんぱく質、カルシウムなど摂ることができます。甘い菓子類は疲れた時に摂ると効果的ですが、現代社会では多種類、大量に手に入ります。肥満、糖尿病の主要原因となる場合もあり注意が必要です。

甘味(炭酸)飲料は、のど越しがさわやかですが、量を超えてしまうことがあり控える食品です。特にショ糖が含まれるものは肥満、糖尿病の要因になることがあります。過去にペットボトルで甘味炭酸飲料を常時飲んでいて若年で糖尿病を発症する例がありました。ショ糖は血糖コントロールのため大量のインスリンの分泌を必要とします。膵臓のインスリン分泌能を疲弊させ、肥満、運動不足、高血糖と相まってインスリン抵抗性をおこし悪循環が生まれます。抗酸化物がふくまれるお茶、コーヒーなどをおすすめします。

お茶などに含まれるカテキンなどポリフェノール・抗酸化物は、LDLの酸化を抑え、血管内皮機能を改善するなど抗動脈硬化作用が報告されています。

アルコールは百薬の長などともいわれますが、適量は一日20gで、ビールですと500㏄、ワイングラス1-2杯、お酒1合程度です。適量であれば毎日飲んで良いと言われますが、肝障害がある場合などには週に2日休肝日が必要です。過度の飲酒習慣を続けますと、血圧が上がりますので注意が必要です。

おすすめ食品と控える食品(3)

2020年05月09日

主食、主菜、副菜についてご説明しました。

次に汁物です。汁物はおすすめ食品の大豆・大豆製品、野菜、海藻、きのこなど具沢山にしていただくことをおすすめします。具沢山にしておすすめ食品を多く摂り、汁を少なくして塩分摂取を抑えます。出汁を上手に使い、味を薄くすることでも塩分が抑えられます。

主食として麺類を摂る際にも、これらおすすめ食品をいれて具沢山にし、味を薄くし塩分を抑えます。味が濃い場合には、汁(スープ)を残すのも一法です。

かつて日本人は、塩やみそを利用した保存食を好み、塩分の摂取量が多く高血圧、ひいては脳出血が多い時期がありました。塩分は食品の味を良くしますが、薄味になれることで塩分センサーの感度が上がり、少ない塩分でもおいしく感じると言われています。過去の塩分摂取目標値は一日9gでしたが、現在は4gを目標としています。

おすすめ食品と控える食品(2)

2020年05月07日

主食、主菜でおすすめ食品をご説明しました。

ベーコン、脂の多いハム、ソーセージなどの加工品は、脂が多く塩分を多く含みますので控える食品です。また、レバーなど内臓類、卵なども脂、コレステロールを多く含みますので控える食品です。

おすすめの主菜の魚、大豆・大豆製品、脂の少ない肉、卵などをバランスよく食べるには、朝食、昼食、夕食にそれぞれ振り分けたり、組み合わせます。例えば、朝食に大豆と卵、昼食はさかな、夕食はささみなど脂の少ない肉などです。

これらおすすめ食品の料理としては生(さかなの刺身)、蒸す、焼く(あぶらを落として)、煮る、ソテーなど油の少ないものがおすすめです。

副菜としては、緑黄色野菜、その他の野菜、海藻、きのこ、こんにゃくがおすすめです。朝、昼、夕の食事のたびにこれらの食品を食べると効果があがります。これらの食品は水溶性繊維を多く含み、糖の吸収をゆっくりにし、コレステロールの吸収を抑えるからです。カロリーが少ない食品ですが満腹感が得られ、一日の食事エネルギーを適切に抑える手助けをしてくれます。また、これらの食品から必要なビタミン、ミネラル、抗酸化物なども摂ることができます。