高血圧と家庭血圧
2021年03月11日
かつて国内では脳出血の罹病率が高く、半身麻痺など後遺症や早期死亡に苦しむ患者さんやご家族が多くおられました。保健教育による塩分摂取の制限や健診による高血圧の診断・その後の治療といった予防医療が貢献し、罹病率・予後は大きく改善しました。
脳梗塞、心筋梗塞、心不全など脳心血管病予防のためには、血圧管理は現在も重要で、その管理には家庭血圧を中心にしています。これは、家庭血圧が正常域にもかかわらず診察室血圧が高い「白衣高血圧」や、家庭血圧が高血圧にもかかわらず診察室血圧は正常域の「仮面高血圧」の場合があるからです。
高血圧合併症がなければ「白衣高血圧」は経過観察で良いですが、「仮面高血圧」では脳心血管病のリスクが高く、治療が必要です。
高血圧基準は、診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上としています。
家庭血圧の測定要領を次回ご説明します。
スギ・ヒノキ花粉症
2021年01月25日
新型コロナウイルスの感染拡大が続いておりご不安のことと思います。
会食などでマスクを外した会話をさけるなど「 感染リスクが高まる「5つの場面」|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室 (corona.go.jp) 」を念頭に個人でできる感染対策、公衆衛生対策を継続しておられることと思います。国内でもワクチンの承認が近づいてきたようですので期待しています。
さて、今年もスギ・ヒノキ花粉症の時期が近づいてきました。特に症状の重い患者さんは毎年苦しんでおられます。鼻をかんだり眼をこすったり、ウイルスの感染機会が高まります。手洗いを徹底するとともにマスクの着用、花粉飛散時期早めより内服治療をお勧めします。
新型コロナ感染症 臨床症状
2020年12月18日
内科学会雑誌に新型コロナ感染症が特集され、内科学会HPにて公開されています。https://www.naika.or.jp/activity/covid-19/nichinaishi-109-11-article/ 日常臨床に関連あるところを一部ご紹介します。
新型コロナウイルス感染初期には、無症状を含め多彩な臨床症状を呈しますが、感染後1~14日(5日前後が多い)の潜伏期の後感冒様症状等で発症することが多いとされています。
すなわち、初期には「発熱」「咳嗽」「咽頭痛」「鼻汁」「頭痛」「倦怠感」の症状が多く、「味覚・嗅覚障害」を伴うこともあります。
若年者の多くが「無症状」を含め軽症である一方、高齢者においては重症化しやすく、慢性呼吸器疾患、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満等のある患者さんの重症化率が高いといわれています。
新型コロナウイルス感染症では、無症状感染者の鼻咽頭、鼻腔ならびに唾液からもウイルスが検出されます。感染可能時期は、発症2日前から発症後7~10日程度であり、発症直前から発症後間もない時期の感染性が非常に高い。
職場などで感染者が発生した際には、症状発症の2日前に濃厚接触がある場合、濃厚接触者は接触より5日前後で発症する可能性が高く、発症2日前から感染性を有していると考えられます。
新型コロナウイルス感染症 検査の指針
2020年10月06日
インフルエンザ流行に備えた検査体制の整備として、厚労省より「新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針」が示されました。 https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/855/20201002sisinryuuiten.pdf
指針によりますと、迅速・スムーズな診断・治療につなげるべく、簡易抗原定性キットを利用した検査体制整備を、各自治体に求めています。
また、検査の流れとして、発熱患者さんは「かかりつけ医・近医」に電話相談の上診療・検査が可能な医療機関を受診するとしています。
一般の診療所では、院内感染を防止するためにオンライン診療の利用も有用ですが、検査が必要な場合には感染防止対策をとった上対面診療・院内検査にて、インフルエンザについては「鼻かみ液を検体とした抗原定性検査」、新型コロナ(COVID-19)については「自己採取鼻腔ぬぐい液を検体とした抗原定性検査」を利用し、迅速に鑑別診断・治療につなげるのが適当に思われます。
海外渡航時の新型コロナウイルス検査
2020年09月26日
杉並 永福町 すずかわ循環器内科は、留学、ビジネス、駐在家族など「PCR検査陰性証明書」のご要望に自費診療にて対応しております。
現在、感染予防と経済活動再開の両立のため、順次各国とのビジネストラックが開設され海外渡航時のプロセスが整備されつつあります。
TeCOT(海外渡航者新型コロナウイルス検査センター 経産省)がサービス提供の準備をしておりホームページを開設しています。 https://www.meti.go.jp/policy/investment/tecot/top.html
当院は、「新型コロナウイルス検査証明機関」に登録されております。